2016年7月31日日曜日

丸山湿原群周辺の自然


(玉瀬地内7月30日撮影)

 丸山湿原群近くの田んぼに咲くミズオオバコ。県RDB Cランクに指定されている。
 除草剤の使用で急速に数を減らしているが、水の入り口や薬の使用量の少ない田んぼには生き残っている。この植物は攪拌がないと種が浮かび上がらず咲かなくなる。毎年耕される水田に適応してきた植物かもしれない。
 水田雑草として駆除対象。しかし最近では自然度が高い安全な米として、ウリの対象にしているところもある。人は身勝手だが面白い。

 
(玉瀬地内7月30日撮影)

 これはガガブタ(環境省RDB 準絶滅危惧種)。ため池王国兵庫ではまだ見ることができるが、富栄養化の進んだ池では生息できない。池一面を覆いつくすほど旺盛な繁殖力を持っているのに、RDB記載は悲しい。「鏡蓋」と書いてガガブタ。まさしく池に蓋をする。農家にはあまり歓迎されない。枯れて池が埋まる、樋が詰まるなど。

カシノナガキクイムシはこれだ!


 会報108号・ブログの最初に紹介した「ナラ枯れ」の原因虫です。このオスが先にカシ・シイ・ナラ類に侵入。その後メスをフェロモン?で呼び寄せるらしい。
 この虫は幼虫の餌となる「ナラ菌」を同時に運ぶそうな。専門的には「養菌性キクイムシ」というグループに属する。
 トンネルを掘りその周りに菌がはびこる。死んだ菌のかすやトンネルが導管をふさぎナラ枯れを引き起こす。
 間違ってたらごめんなさい。訂正お願いします。画像は以前「人博」でセミナーがあり、いただいたもの。その当時は(5年か6年前)対策に大騒ぎしていたのですが・・・。今はブログ最初のコメントの通りギャップを作り「森林飽和」状態にはいいのではという話だそうです。
 西谷に今年はずいぶん入ってきました。あの茶色は悲しくなります。

2016年7月30日土曜日

7月30日(土) 第3湿原の木本 刈り取り作業 

 

 
刈り取り前の画像です。
丸山第3湿原。乾燥化が進み、木本類が入り込んでいます。今年度計画で、夏場の刈り取りを計画。本日実施しました。参加者3名。猛暑の中誰が倒れるかとヒヤヒヤでしたが、参加者は農業者と保全エキスパート。
 


刈り取り後の様子です。ほとんど乾燥しているように見えますが、意外にオオミズゴケがマウンドのように盛り上がっている場所がたくさんありました。水の通り道際です。湿原林縁部をしめしている?なんとか刈り取りました。効果のほどは????



次は下の湿原部分です。木道部分より下のササを中心に刈り取ります。
この時点で、相当気力は萎えてきております。やめとけばよかったと思いながら、「走れメロス」の心境で頑張りました。「まだ日は沈まぬ!刈り取れ作業員!」


刈り取りとったササを湿原外に排出。これが一番気力を奪う作業です。


木道にとりあえず山積み。神は2度も同じ搬出作業を我々に与えてくれました。(私は、仏教徒です。いや神棚もあるな?)


 
 

神は憐憫を垂れてくれました。ちょっとトラガリはごあいきょです。誰も倒れることなく無事作業を完了しました。神様・仏さまありがとうございました。(7月30日17:00終了)

2016年7月28日木曜日

ヒナノシャクジョウ 開花画像 救出 ツノトンボ

開花 ヒナノシャクジョウ 
 
会報108号に紹介したヒナノシャクジョウの別株です。開花している個体です。あまり画像はきれいではありませんが、錫杖(シャクジョウ=法具)に見える部分の先が開花します。(7月24日撮影)

救出 オオシオカラトンボ
 
オオシオカラトンボの♀?まだ若い個体で、羽化仕立てでクモの巣に引っかかってました。救出がいいことかどうかわかりませんが、この後見事飛び立ちました。トンボの恩返しに期待します。この手の救出は何度もしましたが、恩返しはあったのだろうか?クモの恨みのほうが強いような・・・・
(7月24日撮影)

ツノトンボ
 
一見トンボのように見えますが、触角がとても長く、ウスバカゲロウに近い昆虫です。ツノトンボ科。オスはオレンジに近い筋をしています。この個体は黄色。メスと思われます。丸山ではちょくちょく見られます。幼虫は、アリジゴクそっくりです。(7月24日撮影)

2016年7月27日水曜日

7月24日(日) 巡回、観察、道笹刈り、サギソウ開花数調査準備、学術調査廃棄物撤去

7月24日(日)曇り   8名で活動。


 入り口付近の枯れ松(アカマツ)が伐採され、きれいに片づけられていました。
 付近のヌルデも処分され、これは少し寂しい気がしました。虫こぶ(虫えい)が毎年観察対象と
なっていました。パイオニア樹木といわれ、荒れ地に最初に出てくる植物ですが・・・
 「ナラ枯れ」がついに見える形で多く確認されました。
駐車場から入ってすぐ左に1本。竹筒看板近くの「アベマキ・・・」の看板手前の、節の多い古木。
第1湿原入り口分かれ道(柵内)の2本。同じく第1湿原出水口北。パッと見ただけで5本の、
樹齢50年~70年ぐらいの古木が茶色になっています。
昨年度から、「カシノナガキクイムシ」の侵入を確認していましたが現実に枯れた木を見ると
悲しくなります。なぜ枯れるかは各自調べてみてください。武田尾でも目立ち始めました。
緑の中に茶色い枯れ葉が見えればまずナラ枯れです。7月末から8月に枯れます。
 対策は無し!比較的古木につくことで、木の更新によってコナラなどがなくなることがないこと。
また、餌となる古木がなくなると虫が移動してしまうため、被害は5年~10年で終息と言われて
います。これまで伐採されずに放置されていた木が枯れ、かえっていいのではという乱暴な
議論まであるそうです。どうでしょう?
いずれにせよ、通路にかかる枯れ木は、数年以内に伐採の必要がありそうです。
(枝折れ・倒木のおそれあり)